三重旅行記 鳥羽水族館
ども。
とくになにということもなく日々が過ぎてゆきます。
前の連休で三重に行きました。Gotoさまさまですね。思ったより遠かった。
鳥羽水族館を目的に行きました。
現存する水族館の中で二番目に古い水族館。一番目は魚津、三番目は須磨。
古い水族館ならではの、レトロな魚種説明がいいですね。1990年代フォント。
線がシャープすぎなかったり、無駄に光らなかったり、ただ淡々とそこにあるだけ。
薄暗い中でみるにはちょうど良いですね。
現存する水族館の中で、最大の展示数を誇る水族館でもあります。1200種。
そこらの水族館では水槽に一匹だけ、珍重されているようなうつぼも、鳥羽水族館にかかれば、中水槽に50匹ほどすし詰め。
ごついイセエビが何匹も水槽の角にかたまって何とも言えない球体を作り。
懐の深さと無神経さのちょうどいい間をゆくようなバランス感覚。
ひそかな水族館ブームに乗って全国に水族館が作られている昨今、
とりあえず初手大水槽、途中でクラゲを光らせて動物とチンアナゴグッズを売るような量産型水族館が増える昨今、
おおらかでユニークな展示が見られるこの水族館は良いですね。
水族館にしては珍しく順路が無いのも特徴です。すみだ水族館もだっけ。好きな順に好きなだけ見られるのが良いですね。
一つ一つの水槽も、ただのハコでは無しに、生活環境が再現されています。
大水槽なんか、とりあえず白砂だけひいとけみたいなところが多いですからね。
鳥羽水族館の価値観を感じます。不便なところにあっても、変わらず大盛況のまま続いているのは、展示する生き物に対するこういう態度なんでしょうね。というか普通に人多かったんですけど。コロナとかもう関係ないんですね。
しかし場所が不便だわ。一度新幹線で名古屋まで行った方が早いとは思わなかった。
鳥羽には泊まりませんでした。一人で旅館は予約できなかったので。悲しみ。
四日市に泊まりました。
旅行に行ったときには、その土地の場所を食べるようにしていました。この時までは。
何もなかったですね。
梅田の繁華街を一部だけ切り取ってきたような駅の西側、
高い建物がなく、4車線の道路のよこに幅広い道が広がる東側、
観光向けの街でないことをひしひしと感じました。
どちらかというと、県内の人が仕事のために集まるハブのような印象を受けます。
勉強になりました。
何件かバーに行きました。
街場のバーのタイプとしては、全く異なる3種類のバーでした。
1軒目が、席も少なく交流を密にするタイプのバー、
2軒目が、その町のオーセンティックの代表のような、ご老人がマスターのバー、
3軒目が、中の人も若く、知識もしっかりしていてネットの住民に受けそうなバー。
1軒目は、数少ない常連さんを密に回していくようなバーでした。地域の中の、さらに特定の層への密着型。
置いているお酒も、ある程度知名度があるスタンダード品か、名前やラベルが印象的なものが多かったように思います。
歓迎もされず、追い出しもされず。食べ物がおいしかった。
バーフードってめちゃくちゃ手間かかるのであんまり好まれないイメージがあるんですけど、おいしいから頼んじゃうんですよね。
2軒目は、オーセンティック風の、バーコートをきっちり着て、権威的な語りをするバーでした。
しかし、その日は年配の常連さんばかりだったようで、特定の層をけなしてコミュニケーションするような語りが目立ちました。若者で悪かったな。
年齢を重ねた人が、オーセンティックという記号をまとう為にいくようなバーでした。
対応も微妙だったし、二度は行かないと思います。忙しかったのかな。
常連さんを贔屓するのは当たり前ですが、当然客は嫌な気分になるという話。
3軒目は、最近はやりのミクソロジー系のバー。
バックバーにも普段見ないようなお酒が多く。尖った棚構成してるなと思いました。
どの種類のお酒にも、必ずどこのバーにもあるような銘柄が3種類ほどあります。
これは、目指すお店の店風?や、お客さんの層によってある程度異なります。
若い実験的なお店には、新世代のスタンダードや、ネットで有名になった3銘柄、
古くからあるお店や年齢層が高いお店には、漫画や雑誌、常識として口伝えで有名になった3銘柄。
どっちも無かったと思います。バックバーをなめるように見たわけではないですけど。
それでも、目につくところにそれがない、ということが一つの意思表示だと思います。もしくは目が節穴。
尖ってるなぁ。
気になってたフォーピラーズのブラッディシラーズを試しました。
ジンに、シラーズ種のブドウを3kg程度漬け込んだ破格のジンです。
赤葡萄の甘い果実みを想像していましたが、結構甘さ控えめでスパイシーなんですね。
トニックの銘柄と相性とかあるんでしょうか。宣伝文句ほどは甘くなかった。
最近はやりの色が変わるジンの系譜でもあります。
バタフライピーのエンプレス1908、オールドキュリオシティシリーズとか。
色が変わることへの強い期待感に味が伴っている銘柄の登場が待たれるところです。まぁ5桁万円超えると思うけどな。
アニーホールバーの5周年記念のグレンスコシアをいただきました。
鳥羽に行った数日後に、偶然京都水族館帰りにアニーホールバーみつけてシンクロニシティを感じていました。
グレンスコシア、現行の若いのしか飲んだことなくて。
キャラメルプリンや白桃みたいな、デザートウィスキー(造語)だと思ってました。
ここまで塩辛くて、本で読んだキャンベルタウンらしい味わいのするのは初めてでした。
塩辛いしちょっと土っぽい味すらしました。けど、あとから強い・重い甘みがやってきます。いわゆるトロピカルでフルーティではないけど、しっかり重い果物の香り。昼下がりに喫茶店で友達と食べるパフェがこんな味だとうれしい。そんな友達がいるともっとうれしい。
グレンスコシアの、味の可能性の幅広さを感じました。他の銘柄も飲んでみたい。
というか、19年ものなんですね。長熟ってここまではっきりシャープに味がするものなんでしょうか。これまでの経験値が覆される。
全部のバーにアハトロ・ディーヴァがあったのが気になります。テキーラの中では相当攻めたチョイスだと思うんですけど。赤ワイン樽での熟成を経て、果実味とピンク色がついたテキーラです。
鳥羽水族館はニッチ・地方都市で観光を目指すな・自分に分相応なバーを見極めるスキルをつけろ、といった感じです。勉強になりました。
余談。
旅行に行くときには必ず、未読の本を持って行って、道中で読むことにしています。
もしくは、かならず旅行先で書店に行って、本を買うことにしています。
旅行の目的の半分くらいは、道中での読書です。
今回はこれ。
内容が素晴らしいのはもちろんとして(これを読んでたら進路に強く影響したと思う)(アウグスティヌスが結構ラディカルで面白い)
家で読み返した時、鮮明に道中の田園風景と旅行の色々な質感が思い出されて驚きました。
そういわれれば、その本を連想するとき、東京に持って行った1冊や
九州に持って行った1冊で
その旅行の色々な景色が思い出されます。東京は葛西臨海水族館からみる開けた夕焼け、福岡の海の中道水族館付近の植生とリゾート感、あの強い風。
こいつ水族館ばっか行ってんな。