やまさんの読書ブログ

やまさんが本の紹介してるブログ、でした。いまもしてます。


読書日記 ブログランキングへ ←暇ならクリックしてね

言葉について

ども。

 

毎日更新は途絶えたけど何かしら書きます。

毎日更新みたいなドグマに囚われてはいけない。

一日に二三回更新したりしなかったりしような。

 

 

時事ネタついでの文章。

見事に平田オリザさんが燃えたなぁという話と、

レポートしんどいなぁという話を繋げて書こうと思います。

 

 

レポートしんどいんですよ。時間がかかる。

何に時間がかかると思います?内容考えることじゃないんですよ。

 

 

今出ているレポートは、授業内であつかった問題から1つを選んで、自分の意見を200~300文字程度で論じるレポートが多いです。もしくは教科書の該当章のレジュメ1000文字。

 

一つの意見を、ちゃんと説明して書いたら1テーマ200文字で足りるはずがないんです。

200文字で説明できるレベルのこと書いてもらわないと困る、という採点・授業作成側の事情なんでしょうけど。

ゼミでも、「この内容は修士でやるような内容だ」とか、「このテーマを扱うのに学部生の卒論文字数では難しくないか」みたいなセリフをよく聞きます。

思ったよりも細分化しないと厳しいみたい。まぁ学部生ですし(?)

 

 

レポート書いて一番時間がかかるのは、文字数に収まるように文章を圧縮することです。

言い換えるなら、文字を書く側の立場になった時、文字数や媒体に合わせて文章を希釈・加工するのが一番難しいんです。

 

 

平田オリザに寄せられる一見まともなクソリプの数々。

 

平田オリザさんの炎上の話。

この記事が炎上してるみたいですね。

https://www.nhk.or.jp/ohayou/digest/2020/04/0422.html

一番炎上しているのは、

「製造業の場合は、景気が回復してきたら増産してたくさん作ってたくさん売ればいいですよね。でも私たちはそうはいかないんです。客席には数が限られてますから」

の部分です。

この発言に、「製造業を下に見ている」を読み込んだ人が、「自分(芸術)を高尚だと思っていやがる」みたいなのを対比して、さらに「過去インフラに回るはずの予算を芸術支援に奪い取った経歴」「製造業はただ機械的に作って売るだけじゃない」「経営の苦労がわかってない」「世間と感覚が乖離している」「朝日や民主と仲良し」みたいなのがくっついて連鎖的に炎上しているみたいです。

冷静に考えたら「芸術を高尚と…」以外は全部クソリプの類だと思うんですけど。めんどくさいねTwitter。

 

確認。

この発言は単純に非難されるべき発言だと思います。不適切な例示。

「芸術にも支援の手を」を、「おまえよりおれにかねをよこせ」に卑小化してしまったのだから、もちろんです。なお、限られた予算の中から分配するのなら、実質意味するところは一切変わりないわけですが。

ちゃんと説明しようとすると難しかったんですけど、発言の意味や内容はともかくとしてイメージは相当悪化させたと思います。業界を後ろから狙い撃ちしたようなもんですし。

 

 

この発言は、「まだ再生の可能性がある製造業と違って、芸術系は一度滅んだら終わりなんです」くらいに翻訳するのが妥当だと思います。これから「製造業ずるい」「高尚な芸術」を読みくだすのはちょっと無理がある。

というか、平田オリザが製造業(の経営)の苦労を知らないはずはありません。借金してまで劇場経営してたんだから。しかも、演劇に必須の照明や道具類のスタッフさんに至っては大体が個人事業主か小規模会社です。ただでさえ儲からない業界でその人たちと仕事して、さらに存続のために仕事してるんだから。

お前俺らの苦労なんか知らんやろ!は、さすがに他人のことを下に見すぎでしょう。悪い語法やでほんま。

(このツイートしてるうちの何人が経営の苦労を知っていて、製造業に携わったことがあるのか、にもちょっと興味あります。製造業を下に見て、平田オリザを押し上げて、さんざん批判してるところの分断を作りだしてるのは君らちゃうんかいな。)

ここらへんのツイートは、(内容を無視して)自分の独断を読み込んでいるだけという点でクソリプと一切構造が変わりません。

「ただ炊くだけの白ご飯もいいけど、手間のかかるパンも食べてほしい」に「ご飯のことを差別した!」とか「パンなんか食べるような上流階級様にはコメの味は分かりませんや!」とかいってるのとあんまりかわりがない。元の記事はこうならないようにお願いする内容でしたけど、そもそも記事は読んでない。

 

 

 

いわゆる書き言葉(平田オリザはインタビューなので話し言葉でしたけど)って本当に難しいんです。レポートと同じで。

字数制限や媒体の性格に合わせて、出来るだけ明確かつ誤読されないように、わかりやすく圧縮しないといけない。書こうと思ったらいくらでも書けるけど。

しかも、文章とテレビとではスタイルを変えなければなりません。自分のスタイルと、発表のスタイルとのすり合わせ。私だってこのブログみたいに自己完結短文で喋ったりしませんし。書きやすい・読みやすいからこうしてるだけです。

 

 

書くことの不自由さ。

こういうことはおそらく、文章を書かないとわからないことだと思います。

「文字・言葉として外に出されたものは本来の(その人の)文体をまげていること」とか「自分の文体よりも発表先のメディアのスタイルの方が優先すること」とか、ひいては、「書き言葉は読み言葉優先で加工されること」です。

言葉を使えるために私たちはコミュニケーションを取ることができますが、

言葉を使えるがために私たちは相手の発言を内容でなく、自分のイメージで理解してしまいます。わかりにくいなこれ。

相手が加工して意味したかった内容はともかくとして、文章に書いてあることは分かってしまうがために、一部だけを読めば自分の好き勝手なイメージを読み込んで語ることができてしまう、という意味。

自分の理解の範疇に合わせて理解できてしまうし、その先に行く=相手のレベルに合わせる必要は無い。自分の世界にひきこもり。

これ自体は言葉システムの仕様なので別に良い悪いもないです。念のため。

クソリプ」はこういう欠陥仕様の産物ですよね。

自分のイメージが先行して、相手の言葉を理解せずとも返事っぽい何かができてしまうし、対話っぽいなにかが成立してしまう。自分の妄想の産物であるけど、本気で対話だと思い込めてしまう。

 

わかりやすかったのでAmazonのレビューから引用します。

 

 これのレビュー。


著者は

一般に、子どもに接するときの優れたコミュニケーションとは、子どものコンテクストを受け止めて、さらに「受け止めているよ」ということをシグナルとして返してあげることが肝要だと言われている。

と述べる。しかし、最終章において以下のようにも述べている。

彼らは口を揃えて、「いい子を演じるのに疲れた」と言う。私は演劇人なので、そういう子たちには、「本気で演じたこともないくせに、軽々しく『演じる』なんて使うな」といった話をする。
「いい子を演じるのに疲れた」という子どもたちに、「もう演じなくていいんだよ、本当の自分を見つけなさい」と囁くのは、大人の欺瞞にすぎない。

著者は「いい子を演じるのに疲れた」という子どもたちのコンテクストを受け止めてはいない
いい子を演じることにつかれた子どもたちの苦しみを理解する気がない。
私はこの著書の底流に、著者の断定的な、コミュニケーションに対する熱い思いゆえに妄信的な思想を感じる
戦争やワールドカップ、いじめの話をいやに持ち出して、断定的に論を進めているのが鼻につく

これなんか、「「いい子を演じるのに疲れた」が、お仕着せの言葉を使えてしまっているだけで実質のところあんまり「演じて」ない」とか、「演劇人としての平田オリザが取る態度と優れたコミュニケーションとして取らざるを得ない態度はまったく別」みたいな深さを持った話だったと思うんですけど、「相手のコンテクストを無批判に受け入れるのが規範だ」みたいなイメージに全部飲み込まれた良いレビューですよね。

文字として追えるし、追った単語一つ一つの意味は合っているけど、自分の理解の範疇から一切出る気はないレビュー。

 

 

「文字・言葉」は一見、目に見える客観的な何者かに擬態するが、その実自分と分離しがたい、どころか隙あらばこちらを支配しようとしてくるような恐ろしい存在、みたいなことが言いたかった。これをわざわざ長い文章に加工する意味なさげなのでそのまま置いておきます。支配された結果は引きこもりと妄信ですね。

 

真に私たちを分断しているのは言葉なのだ!とか言っとけば100RTくらい来そう。

 

 

 

 

ども。

 

9月入学制?がなぜか早急に検討されつつあったりしてますね。

普通に考えればこのコロナ禍はいつまで続くかわからないんですけど、

なぜか9月にするのが国民の総意、みたいな形で決まりつつあります。

ショックドクトリン。誰かにメリットがあるんでしょうね。もしくはメリットがなくとも変えることがメリット。

 

変な夢を見ました。月一くらいで見ます。

異形の何かに追いかけられて、逃げて、特定のタイミングで誰かに投げられてタイムリープしてどこかの時間へ戻り、最初の異形に追いかけられないように行動するも、また別の何かに追いかけられる。なんなんでしょうねこれ。

 

新訳 夢判断 (新潮モダン・クラシックス)

新訳 夢判断 (新潮モダン・クラシックス)

  • 作者:フロイト
  • 発売日: 2019/04/25
  • メディア: 単行本
 

 やたらポップな新訳。

 

起きたら20時。昼夜逆転の始まり。バーチャルリアリティ

 

 

現代倫理学入門 (講談社学術文庫)

現代倫理学入門 (講談社学術文庫)

  • 作者:加藤 尚武
  • 発売日: 1997/02/07
  • メディア: 文庫
 

 放送大学の教科書。

 

ライトな専門書買うより放送大学の教科書の方がよっぽど初学者向けなので。たまに買います。

今は実質放送大学化してるので、今の時期に勉強の仕方を身に着けたいなと思いつつ。

論文を1本読むためには論文30本分の基礎知識が必要。

日本語として暗記することは出来るけど、意味が分かってないので応用が利かない。

がんばりましょうね。

 

ども。

 

例によって時間の感覚がおかしいので一日坊主するところでした。

一日が長かったり短かったり朝だったり夜だったりする。

 

緊急事態宣言は1か月程度延長の見通し、原因と目される中国に1京円を超える多大な損害賠償。

今日は多分こんな感じのがコロナ関連のニュースだったと思います。

計2ヵ月(+)に延長となると、滅ぶ業種も多そうですね。他人事じゃないけどさ。

再開したところで、例年通りにはお客さんはいらっしゃらないでしょう。

業界ごと滅ばないといいな。と思いつつ。

お店を細くとも長く続けていくことが一番の目標、と確認しつつ。

 

ドイツが損害賠償出してるのめっちゃ面白いですね。WWIでさんざん苦労した側やろうに。

 

 

学業。テレ講義。

酷い順に書くと、

・事前に連絡の取れる履修希望者だけで講義を進めていた(履修可能時点で既に生徒らの発表開始)

・いまだに連絡なし

・毎週1000字程度×10

・講義動画全5時間分と映画・書籍の参考指定

ですかね。絶対に受けられない朝の授業が受けられるのがうれしい。

密度が薄い講義を5時間にまとめてくれたのがうれしい。

ほとんどの講義で毎週1000字はしんどい人多いだろうな。

私は好きで自由履修フルにとってますけど、たいていの人は必修で半強制だろうし。

 

 

自発的隷従論 (ちくま学芸文庫)
 

 ちゃんとした本が読めるようになってきた。

本文自体はひらがなおおめの150ページ弱、文体も口語の演説調なのでめちゃくちゃ読みやすい。し何より論旨が簡潔。ロジックツリー書くまでもない。

○○の古典というより、支配の仕方を簡潔かつ分かりやすく書いてる点で文庫化されたのかなぁと思います。

「そんな風にあなた方を支配しているその敵には、目が二つ、腕は二本、身体はひとつしかない。…

あなた方を監視するに足る多くの目を、あなたが与えない限り、敵はどこから得ることができただろうか。」

 

 

 

 

ども。

 

コロナ禍で見事に暇です。

当初の予定通り、5/6で終わるとはとても思えませんし。

もうしばらく暇になりそうです。

 

1ヵ月のお休みをいただきました。

時計を回しにお店に行く以外はヒマ。

読書が捗りました。1年分くらい先取りして賢くなった気がするよ。

 

本を読んでいて気付きました。

自分があの時何に興味があって何を読んでいたのか、あの時何を思っていたのか、これが分からないといけない。

大学4年分の雑多な詰込みの結果、高校の時の卒論をさらに進める形で勉強してるんですけど、見事に高校・大学x年生の時の興味や思考を覚えておらず。

活動の場所をTwitterに移してたので辿れるんですけど、それはそれで過去の自分によるダメージが強い。

もしくは、ブクログを漁る方法もありま…した。気が向いた時にいっきに登録してたのであまり役に立たず。かろうじて何に興味を持ったかはわかる。

https://booklog.jp/users/placetoplace

(書籍費は固定費とはいえ、買いすぎだと思う)

(マジでわからんな。ゼミで必須の文学批評入門系と、フランス現代思想と、お酒?)

 

本のことに限らずちゃんとブログの形で更新しないとなぁ、と思った次第です。

noteも試したんですけど、一つ記事書いた瞬間にマネタイズ系のアカウントがすり寄ってきて無理でした。なんでもマネタイズマン。

千葉雅也も欲望の自分史書くといいよ~って言ってた。はず。

 

勉強の哲学 来たるべきバカのために

勉強の哲学 来たるべきバカのために

  • 作者:雅也, 千葉
  • 発売日: 2017/04/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
 

 

本の話。

 

バーテンダーの流儀 (集英社新書)

バーテンダーの流儀 (集英社新書)

  • 作者:城 アラキ
  • 発売日: 2020/04/17
  • メディア: 新書
 

 今月の新刊かなんかだったと思います。

バーに関する本が新書・文庫で出ると、だいたいバー入門なんですよね。同じような内容を順番を変えて、その人の読まれるべき時に売れればいいタイプの。選択肢を増やすタイプの。

違ってこの本はバーテンダー論みたいでした。解説多いのに文章の邪魔になってなくて好き。

評価採点の類は専門家様にお任せするとして。途中の緊張感あふれるマティーニの描写をみて思い出したバーがあります。p145あたり。カウンターという舞台。

 

思い出したのはBar Logensitz(ローゲンジッツ)さん。の特にモヒート。

神戸の名バーとして名前の挙がるバーです。メインモルトさんとかと一緒によく並べられてる気がする。

液体窒素を使ったカクテル(モヒート?)が有名みたいです。

このくらいの事前情報で伺いました。緊張するわ。

 

赤暗い店内に、生け花とインテリア、香草の香りのするお手拭き。

魔術師の工房かな。ひとつのインテリアに四重くらい意味ありそう。

チャーム(付きだし)がめっちゃ丁寧でした。五品くらいあって、一つ一つ説明してくださって。

書きたいのは例のモヒートです。

今から作りますよとお客さんらに声をかけて、カウンターの真ん中でミント一房を丸ごとティンにいれ、液体窒素をタンクから注いで、一気に丁寧に砕く。ペンライトで照らして粉々のミントをお客さんらに見せて。

このシーンだけ動画で記憶しています。味はもちろんのこと、光と音で観客を支配して。そういえば照明もカウンター上がメインだったね。

カウンターをステージにしてお店を作りはるとこうなるんだなぁって思いました(こなみ

カクテルは一口目の印象で語られがちですけど、環境も演出も味ですもんね。

また行きたいな コロナ以後はどうしはるんだろう

沖縄旅行記

ども。

 

沖縄に行った備忘録です。

新しくしたキーボードの感覚になれるのも兼ねて。

 

地味に神戸空港に初めて行きました。

やっぱ空港の書店は雑誌や児童書が多いのかなぁという印象。

神戸空港は国内線だけのはずなので、その1~2時間を過ごせるだけの厚みの本なのかもしれませんね。

 

特に本を買うでもなく。空港内をふらついていました。気が向いたら写真を入れます。デッキから飛行機が見えたらよかったんですけど、そういうわけにも行かず。無為に過ごす。

 

飛行機内で読んでいたのはこれ。

 

ケアの倫理 (文庫クセジュ)

ケアの倫理 (文庫クセジュ)

 

 そろそろ古典。

俗に言われた「倫理」が多数派の(=男性視点の)ものであることを指摘し、フェミニズム的な・女性的な・少数派の・声をそこに対置して、他者への責任を重視する新しい倫理の次元を開いていくような感じの。

「「ハインツという一人の男性がいて、彼は、自分の妻を救うために、薬を盗むべきか、盗んではいけないか、自問している。」…男の子は躊躇なく、「ハインツは薬を盗むべきだ」と答える。…彼にとって、道徳問題を解決することは、人間の問題を数学の問題を解くように処理することだ。…女の子は、薬剤師に話して、緊急の事態であること、それに対応してもらうよう依頼すべきだと考える。…彼女の世界は、さまざまな人間関係と心理の世界なのだ。それは、個々人の関係を意識して、他者への責任を認めること、他者の必要に応えることを認める世界なのだ。」

勿論ながら、この本で語られるのは女の子の語る倫理ですし、この考え方は従来、「人間関係を素朴なままに信じていて、道徳を倫理的に検討し、正義の概念から考えることができない」と、バッサリ断じられていたような意見です。

ほんと、こんな話を勉強するほど、自分のどうしようもない男性性を感じますね。

身体も精神も倫理もどうしようもなく男性。

 

 

沖縄行った話読もうと思ったらいきなりこんなの読まされるなんて。ほんとご愁傷様です。

 

沖縄の那覇空港?でしたっけ。

めっちゃ硫黄のにおいしてましたね。

オリオンビールが売ってるのがそれっぽいです。

あと申し訳程度の花。想像上のハワイっぽくはない感じ。

 

美ら海水族館に行きました。閉館寸前の。

ジンベエザメ。立つんですね。

結局大水槽前で30分ぐらいいました。給餌の時にジンベエザメが立ち泳ぎしてたのが印象的でした。あとマンタ。初めて見たわ。あとはどうみてもヒトガタにしか見えないゴンドウイルカとか。イルカと名がつくクジラ目。

 

シーサイドドライブインなるドライブインに行きました。沖縄初のドライブインだったかな。どことなく昭和の香りを感じる。

夜に行ったのでオーシャンビューは体験できませんでしたけど、夜のかすかな光でも相当綺麗でしたね。飛行機から見えた透明の海がそのままそこにありました。

 

名物の謎スープ。シチュー的なチャウダー的な何かしらの味がしました。塩分強めの。

今後食べたものは基本的に塩分強めかつ他の味が強くない味でした。もしくはうま味調味料?

 

沖縄なのでバーに行きました。

 

本土と違う感じはしませんでしたね。日曜閉店なのも然り。日曜行くんじゃなかったわ。

高級感あふれる革張りソファのラグジュアリー空間と、普通の街場のバーみたいなところに行きました。

特筆すべきはイエラム サンタマリアと、沖縄ウィスキー(名前付いてたのかな?)でした。

エラム、は伊江島のラムです。美ら海からちょっとだけ見えてた島かな。

また唯一無二の味でしたね。アグリコールラムでおいしいのあんまり飲んだことないんですけど、これは初めておいしいと思えた。ダイレクトにサトウキビの味する分、キツい味が多くって。

沖縄ウィスキーは、沖縄ウィスキーフェスの限定ボトルだったはずです。

信州マルスで蒸留したウィスキーを、沖縄に移動させて沖縄で熟成、ボトリング。

カスクストレングスで60度、かつ50ppmはなかなかですよね。ヘビーピートの部類。飲む人を選びまくる。

これは誉め言葉なんですけど、藁や汗、発酵した人のにおいがしたんですよね。

本来は発酵臭って人間にとって快の部類の匂いなんですけど、文化的に嫌われるとかなんとか。そういう話を背景にすると誉め言葉ですよね。

そういう話はこちら

 

食べたくなる本

食べたくなる本

 

高度数による高刺激と、ヘビーピートに慣れてくると奥から塩っぽさとモルトの甘みが現れてきます。

れっきとしたジャパニーズウィスキーなのを聞いてびっくりしました。

最初はバーボンバレルの若めラフロイグかなと思って飲んでたぐらいです。シングルモルトの有名銘柄と見まごうくらいおいしかった。 

 

あとはそこでいただいたグレンギリーのワインカスクフィニッシュもおいしかったです。ちょっと渋みがあるけど、慣れて開いてくるとイチゴクリームやバターみたいなまったりさでした。私ワインカスクでのカスクフィニッシュ好きだな、ということを自覚したのはこのあたりです。

 

これだけ飲んだ後ステーキ食べてました。200gで1000円、ライスやスープはお替り自由、は破格でしょ。ちゃんとおいしかったです。例にもれず強めの塩味。

 

一日目、終。

 

2件目の街場のバーのバーテンダーが印象的でした。表情がめちゃくちゃ不自然ににこやかで、それでもお酒に関する知識もあり、話しかけられたことには答えて最低限の会話を交わし。何か凝った会話をするでもなく、ユーモアの打ち合いに乗るでもなく。

バーテンダーディスコースって大体そんな感じだと思うんですけど、

うちはこうじゃないんですよね。お酒より言葉が流れてるような。

自分が将来どうなるのか、ちょっと考えてしまう。いややっぱ向いてないわ

 

朝はソーキそばでした。沖縄では町ごとに○○そばがあるらしい。

特になにか特色ある味ではなかったんですけど、コーレーグースなる調味料が印象的でした。

沖縄のお酒 泡盛島唐辛子?を漬け込んだもので、これを数滴入れるだけでよくあるようなスープが関西うどんのだしみたいな深みと包容力に一瞬で変身する調味料です。

あとは国際通りを眺めて。大きな通りはドンキとココカラファインの覇権でした。中韓からの観光客向けのよくある観光街。あと修学旅行生。

それでも、ちょっと通りに入ってみれば面白いものが色々ありました。いややっぱりテンション任せの観光価格ではあるんだけどさ。

それでも、1階で買って2階で料ってもらう市場があったりしました。時間の都合のある時にリベンジしたい。

 

那覇空港の書店は、小さいながらもしっかり選書してはるのが分かる書店でしたね。

ハードカバーが多め。本土で売れてる本もあり、これから売れるであろう本もあり。

あとは、観光マップ系でない沖縄の本だったり、新書も新しめのがあるのが印象的でした。

 

 

 

 この辺りとか。

 

映像研には手を出すな!(1) (ビッグコミックス)

映像研には手を出すな!(1) (ビッグコミックス)

 

 この本があることからは、テレビのクールとかもしっかりチェックしてはることが分かりますよね。もうアニメやってんのかな。

 

ただ、ハードカバーの背表紙が引出傷(手前に折れるやつ)だらけだったんですよね。手には取られているが、それでもあんまり変われていないんじゃないかしら。

 

 

medium 霊媒探偵城塚翡翠

medium 霊媒探偵城塚翡翠

 

買いました。

 

飛行機の中で読み終わったんですけど、この本すごいですね。

ミステリ読みじゃなくても違和感を抱くような・抱けるような描写が所々あるんですけど、その気になったこと・ところが全部伏線でした。

相沢沙呼が作者ならこいつが犯人でこんな落ちなんだろうなぁ、とはなんとなく予想できるんですけど。それでも、犯人探しやトリック暴きだけじゃない、ミステリの筋と描写自体の面白さ。

これは本屋大賞でも結構よい順位に入るんじゃないかなぁと思っています。

この本を読むのなら、通読するべし。

 

望月杏奈試論 ー揺らぎ・境界・無限ー

ども。

 

始まりましたね。新イベント、[dan’s l’obscurite]。「暗闇で踊る、」とかに訳せるんでしょうか。特に曲が素晴らしい。ダークロマンスとかわかってるじゃん。杏奈かわいい。
久しぶりにミリスタのMV見たんですけど、 めっちゃレベル高くなってますね。
アニメーションのクオリティであったり、 ダンスの動きであったり、演出であったり。
この曲、ライブで再現するの苦労するだろうなぁ。
 
早速脱線しました。特技は脱線です。

 

本題。
 

 


望月杏奈とは誰だろうか。
 
詳しいプロフィールなんかは、ミリシタ内だったり、 ニコニコ大百科なりに書いてあるんですけど、ここでは最近でたfestyさんの記事を挙げておきます。
http://festy.jp/web/posts/7788

かわいいポイントなんかは上記のポイントで見つけてほしいんですけど。軽率にミリシタに触れてくれても良いんだよ。

望月杏奈は二面性をもつかわいいアイドルとして知られているかと思います。
 
ライブやお仕事での、ハイテンションなonの姿。
日常や待機中の、ゆる引きこもるoffの姿。
 
どちらもかわいいですよね。 多分私が一番最初に好きになったアイドルです。
ソロ曲は「Happy Darling」「VIVIDイマジネーション」「ENTER→ PLEASURE」。発表順。
ほかユニット・デュエット曲多数。ミリオンは曲が良い。曲のミリオン。聴いてください!!!!
 


というわけで、 ソロ曲を手掛かりにして望月杏奈に迫って行こうと思います(強引な導入)。
資料上の問題なんですよね。 誕生日や好きなものから迫るわけにいかんしな。

ミリオンライブ時代のイベントストーリーとか、 見れるサイトがあったら誰か教えてください。 ついでに、ミリシタが動作するレベルのスマホを買ってくれる方も募集しています。スマホが壊れました。
 

 

 


ソロ曲から見る「望月杏奈」像の変化。

 

出た順番に、変化を追います。

HappyDarling、VIVIDイマジネーション、ENTER→PLEASUREの順に。初期→中期→後期。

キャラを決める一曲目、方向性を決める二曲目、よりキャラを強化する三曲目。

 

確か彼女、ドラマCDで、onの姿は他のアイドルを研究して得た、あくまでキャラクターみたいなことを言ってた覚えがあるんですけど。 あくまで素はoffです、みたいなスタンスで。
「Happy Darling」なんかもそうですよね。 恋愛に対しても研究で対応する努力家の側面、 年齢相応でハイテンションなサビ、垣間見える「本当の私。」

巷の 14歳像も、こんな感じなんじゃないかと思います。 恋に恋して自分を探す14歳。やみくもに恋の予習とかしちゃう。
サビ部分でレスポンス?してる部分も興味深いですよね。() の中に書いてるやつ。
歌詞載せるの怖いから載せないんですけど。 二面性アピールっぽくて。

 

 

 

キャラを固めるための一曲目。onとoffのあるキャラクター性と、そのonの姿が強調される。
 

 

 


続く「VIVIDイマジネーション」で、 この望月杏奈像に若干の変化が見られます。一年後だっけ。
初手で〈私〉が目覚めてて笑いました。 めくるめくアイデンティティの目覚めへようこそ。 めっちゃ思春期じゃん。終わりなき自分探しの旅へようこそ。 それはともかく。
わざわざ言うまでもなく良い曲です。聞いてみてください。さて。
 
特筆すべき点がいくつかあります。一つ目は、1番(Aメロ?) の歌詞。

 

 

気づく。実はこの子、感情豊かなんだ。顔に出さないだけで。

「HappyDarling」では、 表のonのキャラが全面に押し出されていて全然わからなかったけど、 当然ながら、大元はoffの杏奈ですからね。
Offの時にも、onの時と同じくらい感情豊かなんだ。でも、 その感情をどう表に出すか、わからないでいる。そんな人物像。
3番?Cメロ?の歌詞(I’Wont…部分)が、 特に彼女のキャラを方向付ける節でした。
 
Offの姿の自分へと、興味関心を寄せる引力。 「アイドルでないときの私も見てよ」、と。
 
だからこの子、頭まで隠すようなパーカー着てるんですね。 露出するアイドル衣装とは対照的に。 制服の時でもカーディガンとか着てるしな。

 

 

整理。

1曲目で固めたキャラの、進むべき方向を決める2曲目。 彼女が選んだのは、対外的な仮面としてのonの姿と、 本当の姿としてのoffの姿のさらなる分化・乖離させないための接続でした。 普段思っていても本当はできないことを、onの姿にゆだねて。 きわめて感情的に。表出させる。そんなキャラクター。
世俗で言う、対人関係の「キャラクター」が、 そのキャラクターとしてのふるまいを求められるのに対して= そのキャラクターを逸脱したらハブにされるのに対して、

 

 


杏奈望月は違います。
抑圧されるoffの姿。したいことをするためのキャラクター、onの姿。非常に境界が曖昧になって参りました。
Onはあくまで対外的な仮面だけど、 本当にしたいことができるのもonの姿。
Offは本当の<私>だけど、 そのキャラクターに囚われるがゆえに、思い通りに行かない。
 
余談。
これ、めっちゃ昨今のヴァーチャルアイドルVtuberに 似てると思うんですよね。杏奈にとって、onで挑むステージは全てヴァーチャルの場なんです。 趣味のオンラインゲームと変わらない。これは、どの曲の歌詞にも、 ヴァーチャル(チャット?)ならば感情を表に出した素の= ハイテンションのキャラクターとしてふるまえることが示唆されて いることから伺えます。二次元アイドル界隈において、 望月杏奈は一番ヴァーチャルなヴァーチャルアイドルなんだ。 ヴァーチャル内のヴァーチャルアイドルって、 なんか入れ子構造みたいですね。V tuberの存在論
 


3曲目。

結論。さらに、強化と分化が進みました。on/offのキャラクターの。
ステージでなら、素直にふるまえるんですって。Onとoff、実は転倒してない?
2曲目で方向付けられたキャラクター性の、 on/offの分離を、強化するような歌詞が続きます。
自分にカギをかけて、現実からは退いていくoffの自分。 それでも動いている感情。
それが噴出するような、onの姿。魔法、夢、無敵。
2曲目では「パスワード」とだけ書かれていた、onとoffを切り替えるスイッチは、
環境、感情、音楽、に加えて、「キミの視線」 と具体的に書かれます。
ここらへん、言いたいことがたくさんある。「見られて、 私が変わるの」が「まなざし」だからね。 他者の視線が私を規定するとか、私の好きなヤツじゃん。 それはともかく。これはあとでちゃんと書きます。
 


2曲目~3曲目の時期だったと思うんですけど、仕事でoffの姿をだしてるカードが増えてきましたよね。意識的にoffの姿をコントロール出来るようになってきた、みたいな説明が付いてたと思います。具体的にはくのいち姫とか、 お天気お姉さんとか。懐かしや。写真は無いので調べてみてね。

 

 

 

 

実は、望月杏奈について語るうえで、 このことが一番大事なんだ。
 

 


突然の話題転換。 いい感じに望月杏奈論にするから安心して読んでください。
 

 

「素」について。

 


私たちには、人のオンやオフを区別し、 そのなかでもオフの姿を求める欲望があります。
「素の姿」。ドッキリが流行ったり、 公人のプライベートが執拗に追いかけられるのもこの心理ですよね 。「本当のあなた」「素」が知りたいという不断の欲望。

この物言いだとちょっとはてなマークなんですけど、「相手のことが知りたい」、と言い換えたらわかっていただけると思います。友人関係、 恋愛関係、人間関係。なにごとも「わかる~」 が始まりですからね。
 

 

「分かる」の暴力について。

 

 


日常生活における、この「分かる~」は、 限りないまでに暴力的な暴力です。これははっきり断言できます。
他人を、自分の理解できる枠に加工し、歪めてしまうことを、 暴力以外の何と呼びましょう。
私とは根本的に違い、私の範疇には絶対収まらない他者。

それを、 私の世界に、私の観測から再構成して再現する。その似姿を、 目の前の他者と勝手に同定して、「分かる」。
かっこいいこと言ってみたかったんです。 でもわかりにくい自覚はあるので、もう少し言い換えます。
 

「あなたの素の姿を見せて」について。

 


ドイツ語では「了解」と「包摂」は同じ言葉です。わかることは、 相手を包み、分解し、自分の世界へ適合するよう作り替えること。 それは、相手を一人の人間としてではなく、一つの対象・ モノとして扱うこと。

言い換えるなら、「分かる」ことは、 相手をモノとして<所有>すること。<他>を<同>に囲い込むこと。 全体主義的。
だから最近の共感ブーム嫌いなんですよね。誰かに「共感」 したとき、それは、現実の相手から一番遠ざかった時だから。 一番すれ違った時だから。 自分に惚れると書いて自惚れるとはよく言ったものですね。 分かる自分に惚れるな。
 

 

 

この話を、望月杏奈に接続します。
 
望月杏奈、そんな欲望の対象になるような素・offの姿を初手で曝け出してくるの。すごいですよね。この子。気になる人のOffの姿を垣間見ようとして人がどれだけ努力することかわからんのにね。この点で、望月杏奈は、星の数ほどいる二次元アイドル業界でも特に類を見ない特別なアイドルです。なぜかって、実際にそこらへんにいる思春期学生が「 本当の私をわかってよ!!!」とかいうのとは訳が違いますからね。

 

 

 

そう、このoffの姿すらも、キャラである、という点において。2〜3曲目の時期にそれが分かってきた。
 

 

幻惑する望月杏奈。

不断に「本当の私」を求められ続ける他者との世界において、 望月杏奈は戦略的にふるまいます。
それは、私たちのまなざしに対して、「onとoff/キャラと素」を先に提示し、 慎重に使い分けるという方法において、です。 それだけでは飽き足らず、さらに、戦略を重ねます。
それは、onとoffの境界を揺らがせる、という方法です。本来 onとoffで使い分けられていたキャラクター像は転倒し、 (仮想のそのまた)仮想の望月杏奈像を作り上げます。私たちはそのoffの姿に引き寄せられていきますが、 その境界は揺らぎ、幻惑され、 私たちは永遠に望月杏奈にたどり着けなくなります。 幻を追いかけさせ、常に現実の自分自身は退隠する望月杏奈。
 

 


望月杏奈は、絶対に分からない。
 望月杏奈には、辿り着けない。

 


こうも言えます。
「VIVIDイマジネーション」では、onの姿とoffの姿はコ インの裏表のように考えるべし、と示唆されていましたが、 それが罠です。現実の望月杏奈はコインですらない。しかも、 容易に表と裏を反転し、 その反転そのものに注目させてしまうことすらする。私たちは、 永遠に仮想のoffの姿を追いかけ続ける。


こうも言えます。これ友達が言ってました。「2つの服、 2つの縁の間に見える肌の間歇。 誘惑的なのはこのちらちら見えることそれ自体である。 さらに言い換えれば、出現と消滅の演出である(ロラン・バルト) 」。On/offの反転、出現と消滅、誘惑と目眩まし。


「まなざし」について、ちゃんと書きます。

特に「まなざし」という言葉を使うときには、「見ること」が、相手に「誰かに見られている」 ことを意識させ、相手の在り方を変化させる外的な(暴) 力の一つであることを表します。そして、私達は、存在する限り他者のまなざしから逃れられません。

 

そんなまなざしすら、 彼女には届かない。まなざしが写すのは、彼女の作り出した幻想。 私たちは、 素の姿をさらけ出す望月杏奈に親しみすら覚えながら引き寄せられていくものの、それは想像的な・ ヴァーチャルな望月杏奈にであって、 望月杏奈そのものにではない。望月杏奈は、常に現実から退隠し、 引きこもり続ける。

そんな一つの存在論
 
私たちにわかるのは、Imagination Girl(VIVIDイマジネーション) としての望月杏奈であって、 現実の望月杏奈にはたどり着けない。

 

無限の望月杏奈。
 

 


レヴィナスに影響されきった感がすごい。
この望月杏奈論はそのまま、私たちが現実に、 他者と接するときの方法の写しです。onとoffを、キャラと素、に置き換えて読んでいただけると、そのまま現実でのコミュニケーション論になります。すごい。


私たちが分かってしまうのは、あくまでヴァーチャル= 仮想の他者であって
現実の他者は、私の住む私の世界の外から到来する。(=私たちが認識し、構成するのが先ではなく。)そして、 一瞬だけ現れて、 私たちが理解しようとするときにはすでに離れており、 不断に退隠し続ける。そして、その「他性」によって、 私に痕跡を残し、<私>が変化するきっかけを与える。


「まなざし」は私を制限する暴力ですが、同時に、 他者のまなざしを受けることで、「私」が分かっていきます。「 私というものそのものが、 私ならざる者との関わり合いにおいてしか、 何者であるかを常に事後的にしか発見できない。 そのときに私自身の自己規定を可能にする他者がいる。」( 内田樹)。そして、望月杏奈は、関わらないことを選んだ。仮想の仮想を現実と見誤らせることによって。
 


余談。

最初、 ファムファタールとしての望月杏奈を書く予定だったんですよね。 私の欲望を喚起し続け、 それが破滅するまでコミットさせ続ける存在として。 勉強不足で書けなかった。残念。
 

 

末文。
最初に「望月杏奈」とは誰だろうか。と問いかけ?ことから始めました。
この記事を読んでいただけたなら、 私たちがこの問いに答えられないことが分かっていただけたと思う 。望月杏奈がアイドルであり、女性であり、onとoffがあり、 そう答えたところで、それは、「望月杏奈とは何か」 と言う問いの答えにしかならないからだ。望月杏奈が何か? はわかっても、「望月杏奈が誰か」はわからない。それが、「他者」 であり、私とあなたの関係である。
 
我々が望月杏奈から学ぶことは多い。

 

 

参考資料

 

 

 

全体性と無限 (上) (岩波文庫)

全体性と無限 (上) (岩波文庫)

 
実存から実存者へ (ちくま学芸文庫)

実存から実存者へ (ちくま学芸文庫)

 
レヴィナス入門 (ちくま新書)

レヴィナス入門 (ちくま新書)

 

 

 

ども。

 

ついに買っちゃいました。

Blue toothのキーボード。

ちっちゃいですけど。

慣れるにはまだ時間かかりそうですね。

スマホのフリックより圧倒的に早いのがありがたいです。

 

ついに買っちゃいました。

占めて50冊。

大学生協で15%offだったので。

 

哲学系の本と小説を半々くらい買いまして。

いつかは買うことになってた本なので。

ベルグソンの入門書兼講演集とか。

 

 

精神のエネルギー (平凡社ライブラリー)

精神のエネルギー (平凡社ライブラリー)

 
思考と動き (平凡社ライブラリー)

思考と動き (平凡社ライブラリー)

 

 

サルトルのめっちゃ分厚いやつとか。

 

存在と無 全3巻セット

存在と無 全3巻セット

 

 

そこらへんです。

ずっと、何で哲学思想に心惹かれるのかよくわかってなかったんですけど、

おそらく、サルトルに始まる「まなざし」なんだろうなってことに気づきまして。

そこらへんのお勉強です。申し訳程度のレヴィナスも添えて。

 

小説の方は、ずっと気になってた米澤穂信の『満願』とか。

 

満願 (新潮文庫)

満願 (新潮文庫)

 

いつのまに文庫化したんだろう

住野よるのまだ文庫化しなさそうなシリーズとか。

 

青くて痛くて脆い

青くて痛くて脆い

 

で、最近きになってた彩瀬まるさんの本です。先に述べておくと、この人の文章が好きです(?)

 

骨を彩る (幻冬舎文庫)

骨を彩る (幻冬舎文庫)

 

短編集。通勤通学の合間にこまめに読めるから良いですね。

 

最初、この2冊をよんでこの作家さんにどハマりしたんです。

やがて海へと届く (講談社文庫)

やがて海へと届く (講談社文庫)

 
暗い夜、星を数えて: 3・11被災鉄道からの脱出 (新潮文庫)

暗い夜、星を数えて: 3・11被災鉄道からの脱出 (新潮文庫)

 

前者は多分幻想小説?になるんでしょうか。

後者はおそらくノンフィクションのはずです。

暫く考えたんですけど、この2冊は別個でブログ書きたいので置いときます。

 

今日書きたいのはこの本。

 

骨を彩る (幻冬舎文庫)

骨を彩る (幻冬舎文庫)

 

 

この本を読んだので。

5編の小説のつまった短編集です。

おそらく、小説間で世界観がゆる〜くつながっている。と思います。

 

彩瀬まるさん(のこの本)の特徴は、死に対する関心から現れてくる、死と生に関わる言葉の色みだと思います。

死に関する面だったら、この本の底に流れている、不可逆の「別れ」が思い浮かびます。

不可逆の別れはもちろん死んだものなんですけど、過去は現在に生きる私たちにとって不可逆の別れであり、取り戻せない死です。

そんな別れと、今生きる私たちの関係、というような。

 

だからこそ、この人の情景描写が、口にまつわる言葉であるのもうなづけます。

自己啓発やら心理学やらのNLPとかだと、人間は視覚/聴覚/触覚型の3タイプに分かれさせられますが、

 

「影響言語」で人を動かす

「影響言語」で人を動かす

  • 作者: シェリー・ローズ・シャーベイ,Shelle Rose Charvet,上地明彦,本山晶子
  • 出版社/メーカー: 実務教育出版
  • 発売日: 2010/08/10
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • 購入: 4人 クリック: 13回
  • この商品を含むブログ (3件) を見る
 

この人の描写は、特に食覚とでもいうような。

特に口での触覚、味に例える描写、そんなものが特に目立ちます。目立ちました。

人が赤ん坊として生まれて、自ら生き続けるために必要な始めての道具が口ですからね。その後も、口による食無くしては生きられないし。

 

そして、死から見えてくる生に注目するからこそ、この人は女性のためのR18文学賞でデビューしたんでしょうね。書いてて都合の良いストーリー付けにも思えて来た。この話やめよう。

 

何か自分自身に対する、たったひとつの根本的な問題を抱えて文章を書く作家さんは少ないんです。わたしの知ってる範囲では、ですけど。

なので、この作家さんに注目していこうと思います。

彩瀬まる。覚えた。

突発的饒舌解説ウィスキーレビュー(1) アードベック ダークコーブ

ども。

 

見てる人もずいぶん減ったと思うんですけど、最近いかがお過ごしですか。

私はですねぇ

体脂肪率が久々に30%を突破したり

下着屋さんの客引きの中華系のおねーさんから「オニーチャンメ↑ンズブラアル↑ヨ」なんて囁かれたりしながら日々を過ごしております。余計なお世話じゃ。痩せます。

 

タイトルの通り、突発的なウィスキーレビューです。本職なので。

今回飲むのは「アードベック(注4) ダークコーブ(注5)」。

ウィスキー(注1)のシングルモルト(注2)で、スコッチのアイラ(注3)の中では有名な銘柄です。

たった二行書くだけで注が5個つく世界線で仕事をしています。やってられるか

 

そもそもバーテンダーになった話をこのブログでしてないんですね。

バーテンダーになりました。大学生も継続中なんですけど。

家業を継いだだけとも言います。

以前の記事で書いたような出来事が起こったせいで若干20歳にしてバーテンダー兼オーナーとなってしまいました。草生える。生えない。

特にこれ以上書くことはないです。数えで2年目なんか、下手に知恵がついただけの初心者ですからね。なんか洋酒で困ったら聞いてください。ワインや日本酒はわかりません。

 

注1。ウィスキー。

小麦などの穀物を原料として、その中に含まれるデンプンを麦芽酵素で分解して糖分にしたもの。を酵母の力で分解してアルコールにしたもの。を更に蒸留して、より純なアルコールに近づけたもの。ほぼ全てが樽での熟成を経る。

注2。シングルモルト

大麦(モルト)のみを材料とするウィスキーをこう呼ぶ。スコッチの場合はさらに、「単一の蒸留所のみ」という条件が増えます。モルト以外には、グレーン(その他たくさんの穀物)だったり、ライ麦だったりコーンだったりがありますね。

注3。スコッチのアイラ

スコットランドで作られて、現地の法で認められたものをスコッチウィスキーと呼びます。

有名度だけなら他のどのウィスキーよりも高いんじゃないでしょうか。

世界5大ウィスキーという時は、スコッチに加えて、アイルランドアメリカ(バーボン)、カナディアン、ジャパニーズ、が加わります。

日本でこそ五大ウィスキーなんて言いますけど、海外ではほんとに日本加えて「五大!!!」なんて言ってるんだかどうなんだか。

最近は、インドや台湾、タスマニアニュージーランドなんてところでもウィスキーを作ってるところがありますね。ここら辺はいつか書きます。

スコットランドの中にもいくつか地方があって、その中に「アイラ島」という小島があります。

そこで作られているのが、アイラウィスキーです。

主に、麦に泥炭(の煙)を炊き込んでから作るため、燻製っぽいかほりがするのと、海辺で潮風を浴びつつ熟成させるせいで、潮やヨードチンキのかほりがするのが特徴です。正露丸とよく言われる。

他の地域にはない特色のせいでウィスキーも観光にも大人気の島になってしまいました

(注4)アードベック

「スコッチのアイラ」島に9つ(ほんとか?増えたり減ったりしてないか?)ある蒸留所のうちの一つの名前。

伝統的に、蒸留所名をそのまま銘柄の名前にするところが多いですね。

アードベックは、アイラの中では辛口(=甘くない、の意)、ドライ、高フェノール値が特徴です。

先程の「燻製」「潮」「ヨード」らへんのかほりの、含有量がめっちゃ高いやつです。

間違っても始めてウィスキー飲む人には飲ませられない。フリじゃないよ。

毎年6月はじめらへんに「アードベック・デー」を設定して、毎年一種類新しいアードベックのレパートリーを発売していくストロングスタイルな蒸留所です。

今年は「アードベック ドラム」でしたっけ。その名の通り(?)ラム酒の樽で寝かせた(注7)アードベックです。

注7 カスクフィニッシュ

ウィスキーは樽で熟成されて、樽の香りや成分が溶け出してあの味になる。

じゃあ、別のお酒入れてた樽を転用して寝かせたらもっと美味しくなるんじゃない!?的な。スコッチの技術。

シェリー酒(ワインの発酵中の糖分→アルコール過程で、アルコールを添加して甘みを残したまま発酵を完了させた酒精強化ワイン)だったり、ワインだったり、バーボンウィスキーだったり、最近だと、ラムやテキーラ、日本酒カスクなんてのも見ましたね。

たまに新興技術とか言われるんですけど、それには一応反論しておきます。

スコッチなんか、もともと密造酒だったのを、酒税の安いシェリー酒の樽に入れてたらなんか美味しくなったみたいな言われがあるくらいですので。

書いといて神話くささが半端じゃない。

注6 アードベック ダークコーブ

先述の一年に一本でる新作で、2016年に発表されたやつです。

出回るっちゃ出回るんですけど、そこまで量はないので、今だと末端価格2万円くらい。

ブログ用に検索かけたらプロモムービーとか出てました。

https://youtu.be/lFz2o3nljwo

「ダークシェリー樽」なる謎の樽で寝かせたそうです。ところでダークシェリーってなんなんですか。

 

本題までに2000字を費やす。見出しも何もつけてないから読みにくい事このうえない。

 

 

アードベック ダークコーブ。

 

もうフタ開けた時点でかおりが舞ってくるんですけど、まぁそれはそれとしてグラスに注ぎます。

グラスに顔近づけた時点で味がします。比喩でなく。

パンジェント(チクチクして刺激的、をさすティスティング用語)なスモークっぽさだったり、モルト本来の甘みだったり、ちょっと湿気のある樹木の香りがしたり。

ボトルの値段が15000円超えたあたりから、グラスの中に世界が見えるようになってきますね。

ダークコーブからは、静かな森の中、さっきまでちょっと雨が降ってて、止んだから、暖をとるべく手近な木で焚き火をしてるような光景が立ち上ってきます。

生木を燃やしちゃった時のあの乳白色の煙は、ほかにちょっと例えようがないような、密度の高い独特の刺激と香りなんですけど、そのものずばりの質感がグラスから出てきます。香りだけね。

グラスに顔近づけただけでここまでかけるウィスキーってなんだよ。まだ一滴も飲んでねぇよ。

 

もうかほりが爆発してそこらへんが森林になってるので飲みづらいんですけど、それでも口に含みました。

もともと度数高い分、ちょっと舌がピリピリするような刺激はまあそれとして。

シェリー樽由来っぽい甘みがそれと同時に、アタックしてきます。飲んですぐの最初の刺激のことをアタックと呼ぶ。

そのまま舌で転がすと、樽の木材であったり、チクチクする白煙であったり、モルトの甘みであったり、トロピカルフルーツみたいな甘みであったり、が何度も反復してまたその度に新しく訪れてきます。重層的って言うんでしょうか。

舌の上に渋みが残るのもチェックポイントっぽいですよね。大体、こういう感触のするウィスキーはちょっと日を置いて空気と水を含ませると一気に花開くやつ。

 

飲み込んでのち、口内に残るかほりをフィニッシュと呼びます。

ダークコーブのフィニッシュは、微量の渋み、ほんの少しのスモーク感と、甘いトロピカルフルーツでした。そしてめっちゃ長く残る。流石お値段相応のウィスキー。

わざわざ使いにくいiPadから1時間かけて記事を書くぐらいには素晴らしいウィスキーでした。

早く家の電波開通して。

 

 

ウイスキーの歴史 (「食」の図書館)

ウイスキーの歴史 (「食」の図書館)

 

 

本を貼ることに決めているので、最近読んだこれを。

あと一冊。

 

ウイスキーは楽しい!

ウイスキーは楽しい!

  • 作者: ミカエル・ギド,河清美
  • 出版社/メーカー: パイインターナショナル
  • 発売日: 2017/12/11
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)
  • この商品を含むブログを見る
 

 

この2冊を読めば、任意のウィスキーを飲んだときにスノッブどもに認められるような感想を饒舌に語れるようになります。

自らの内の未知と感覚を通して語り合う所業、実質マインドフルネスみたいなところあるので。

なので飲酒、意識高い人にもおススメです。「知で旨くなる酒」とはよく言ったものですね。

「だから男に好まれる」は実質マンスプレイニング。

私が殺した

ども。

 

群を抜いて重い記事だと思うので、心と身体が健康な時にどうぞ。

もしくは、死ぬことに良い感情を抱きかけた時。即刻ブラウザバックをお勧めします。

 

 

 

 

 

 

夢を見ました。

病気で死んだ母親がひょっこり家に帰って来て、

父は蘇らずとも、母と二人、母が亡くなる前の団欒。

奇跡の再開を喜ぶ二人。

普通の人がそうであるように、過去に暗いところもあるけれど、明るい人だから、

ギャグなんか飛ばして、好きな料理を食べに行って。

好きな海辺へ行って、その近くでお茶したりして。

こたつで鍋を囲んだりして。

現実にも慣れてくると、考える余裕ができます。

母はどうやって生き返ったのか。

母親はエンバーミングされていたはずなのに、どうしてその心臓が動き出したのか。

そもそも、母は火葬しt

 

 

 

 

気付いた時に、夢は覚めました。  考えるべきではなかった。

ファンタジーでは、夢=虚構に気付くところから物語が動き出す類型があります。

気付かなければ幸せだった、という後悔、

それでも現実から前へ進んでいこうとする意思、

本で読んでこそ文字列ですけど、実際に体験したら尊敬ものですね。

 

 

俺がこの手で火葬場に連れて行った。

そもそも死ぬ3年ほど前から躁鬱で、楽しそうには見えなかったし。

そもそも、病気じゃなくて、首吊りではなかったか。

私は指一本触れられず、警察の人に降ろしてもらったのではなかったか。

そこに気付いたのは、覚めてからさらに4時間後でした。

 

仕事の話が欠片も出てない時点で、フィクションだとわかっただろう、

と覚めてみればわかるんですけど、夢の中だと中々思い至りませんね。

思い至ったら覚めるしな。そこら辺の力学。

 

エンバーミングで保存、が夢に出てくると、この本の影響を思い出しますね。

 

螺鈿迷宮

螺鈿迷宮

 

 

もしくはこっち。著者の先生に最近会って話をしたし、こっちの方が影響してそう。

 

デス・エデュケーション展開ノート

デス・エデュケーション展開ノート

 

 

 

 

私の奉じる哲学思想は、人間は原理的に分かり合えず、一人とか孤独とかそういう存在である事を明らかにします。

たまに見かける「共感なんか幻想だ」みたいな言説がそうですね。

世界=外部に対する、私とあなたの受け取り回路は、

その経験によって全く違う回路が出来上がっているのだから、

もちろん一つの現実から、二人は全く違うものを受け取るはずだ、みたいな。

一つの映画を見て、仮に二人とも感動したとしても、

その感動の内実は二人で全く異なるもので。言語にする時点で感動の二文字に回収されたけど、みたいな。

また、共感するということは、

素朴には、現実を、二つの違う回路を通して出力したのにだいたい同じ結果がでた、

みたいな話に取られます。

でも、現実には、私は私の回路しか通せないのだから、

相手の言っていることを私の回路に通せた、言い換えれば、私の範疇から一歩も出ずに、

あなたの「現実→回路→結果」を理解して、かつ私も同じ「原因→結果」を産み出したよ〜!!みたいな言説が「分かる〜!」に凝縮されています。

厳密な意味で理解できているわけではもちろんないし、

相当傲慢な発言だと思います。お前に何がわかんねん、みたいな話になります。

 

でも、この言説は人間関係の基本です。今は。おそらく昔も。

相手の感じたことを認め、寄り添い、一人じゃないよと呼びかけ合う。

聖書の1ページ目にも「人が独りでいるのは良くない」って書いてるくらいですから。

 

おそらく、共感するのではなく、相手を認めて、でも違う意見を持つことも認める、

そんな感じのことが、共感の代替案になっているのだと思います。

相当難易度高いですよね。これ。とゆーか私これ、理性の奴隷だと思うんですけど。

相手を認めるだけの成熟度。感情に任せて相手の意見を否定しないだけの倫理感。自己統御。

文字にしてしまえば短いものだけど、各々に照らし合わせてもらえれば、

その難易度がいかに高いかわかっていただけると思います。

これらをクリアした時に、自ずと、原理的に人間は独りであることが分かってしまいます。

自分と相手の差異を認め、自分の範疇に相手がいない事を認めるわけだから。

最後に必要なのは、現実と独りで対峙し続けるだけの強さです。さながら一時たりとて気の抜けぬ戦場。

職場、家族、社会、ネット、自分自身、ひいては物理的な現実

…こんなこと考えずに、素朴でいた方が幸せだと思うんですけど。そんなオチを付ける。

 

 

 

そういえば、母の死には、不審な点がありました。

母は首を吊って亡くなり、司法解剖を経ても、不審な点のない縊死と認められています。

完全自殺マニュアル読んでたらそりゃ首吊りになるか。

コインを使うこともなく、身長と同じくらいの棒からでも、人は死ぬことができます。

発見時は著しいチアノーゼのみで、垂れ流しとか言うような状況ではありませんでした。

ご飯食べれてたはずなんですけどね。あと冷房入れてたみたい。

死亡予想時刻の1時間ほど前には、お手伝いさんと談笑しつつ。

検視と解剖で、時間にズレがあったのも確かですね。ズレてたことしか覚えてませんけど。

亡くなる日の朝に、珍しくミルクティーを淹れてくれたのを覚えています。

死ぬ日の朝に入れるミルクティーはどんな味だったんでしょうね。

ども。

 

久しぶりにページ右側のリンク集を見返しました。

ほぼほぼ、ブログごと消えてますね。もしくは全記事削除。

就活に響く年ごろの人たちばかりリンク集にいるのが主な要因だと思うんですけど。

それでも、残っていても最終更新が「大学生になりました!」みたいなのばかりでね。

 

リアルの、中学校の部活周りでブログが流行ったから始めた人々がほとんどなだけに、

その後のTwitterブームやラインに飲み込まれていった気がします。

考えたこと思ったことをアウトプットする場も、今となっては各種タイムラインなんでしょうね。

今どきの中高生はどうやってネットでリアルの人たちと関わるんでしょう。もうわかりませんね。

 

 

ところで、帰宅途中にたぬき見たんですけど。

深夜一時に重たい体を引きずって家路を歩いていると、前方でごみ袋を漁る影が見えたんです。

すわ猪かと思いつつも、あまりに小さすぎるので近寄ってみればたぬきでした。

捕まえてたぬき鍋にしようと思ったんですけど、逃げられてしまいました。残念。

発想が日本昔話なんだよな。ここまでくると発想がフィクション過ぎて面白みがない。

 

昨日のブログで、絵画の鑑賞の仕方について考えました。

あれ、題材が絵画に代わってるんですけど、元々は速読の話でして。

最近はやりの

 

1冊3分で読めて、99%忘れない読書術 瞬読

1冊3分で読めて、99%忘れない読書術 瞬読

 

 

これとかね。

 

計算しやすいように540ページの文庫本を想定するんですけど、

1秒で3ページを読むことになります。

0.33秒、ページをめくる時間を考えると実際にはもっと短い時間で読むことになります。

実際にこのスピードでページめくっていただければわかるのですが、

内側2~3行は視界に入らないんですよね。

美術館の例えでも、流れ作業の鑑賞の中で目に入らない部分が必ずあるはずだ見たいなこと書こうとしてたんですけど。

本を読んだってなんなんでしょうね。読書経験って何なんでしょうね。

 

2桁ページしかないテレヴィジオンとか3分速読で理解していただきたいんですけど、

 

テレヴィジオン (講談社学術文庫)

テレヴィジオン (講談社学術文庫)

 

(文庫の中でも高めの講談社学術文庫にして600円、100ページ未満という破格の値段と薄さを誇る本。

ポストモダン思想最難関とも呼ばれるジャック・ラカンの最良の入門書(自称?)。

しょっぱなから説明の無い専門用語の嵐でさっぱり理解できません。10行が苦痛。

「入門」とは何かについて考えさせられますね。門に入るのもおこがましいってか。 )

 

しっかり予防線が張られていました。

「大前提として、予備知識がある本を選んでください」って書いてあるんですね。

素朴に、素人が洋書やら哲学書やらを急にスラスラ読めるようになると思うなよって。

現実的でいいですね。好きですよ。

 

この本の読書法は、速読法の中でも「最低限の単語や主語だけみて、文章は後追いのイメージで脳内補完する」タイプに近いように見受けられます。

私も物語とか読むときはまさにこれです。記憶する必要ないし。

この方法を使うと、ハリポタクラスを一日20冊とか平気で読めるんですけど、勿論ながら問題が生じます。

何回読み直しても、読み直すたびに、以前の読書で読み飛ばしてたところが出てくるんですよね。

自らの認識できる範囲の不完全なテクストから、自らの理解できる範疇のみを理解する、という意味で、自分勝手な読み方だなぁと我ながら思います。

遅読すればちゃんと読めているという意味ではなく。

 

この読み方で、何を何のために読むんでしょうね。

そして、予備知識があるとはいえ、物理的に、全ページに目を通すスタイルでの1冊3分は物理的に不可能なはずです。

そういう裏読みであっていてほしいなと思います。