突発的饒舌解説ウィスキーレビュー(1) アードベック ダークコーブ
ども。
見てる人もずいぶん減ったと思うんですけど、最近いかがお過ごしですか。
私はですねぇ
体脂肪率が久々に30%を突破したり
下着屋さんの客引きの中華系のおねーさんから「オニーチャンメ↑ンズブラアル↑ヨ」なんて囁かれたりしながら日々を過ごしております。余計なお世話じゃ。痩せます。
タイトルの通り、突発的なウィスキーレビューです。本職なので。
今回飲むのは「アードベック(注4) ダークコーブ(注5)」。
ウィスキー(注1)のシングルモルト(注2)で、スコッチのアイラ(注3)の中では有名な銘柄です。
たった二行書くだけで注が5個つく世界線で仕事をしています。やってられるか
そもそもバーテンダーになった話をこのブログでしてないんですね。
バーテンダーになりました。大学生も継続中なんですけど。
家業を継いだだけとも言います。
以前の記事で書いたような出来事が起こったせいで若干20歳にしてバーテンダー兼オーナーとなってしまいました。草生える。生えない。
特にこれ以上書くことはないです。数えで2年目なんか、下手に知恵がついただけの初心者ですからね。なんか洋酒で困ったら聞いてください。ワインや日本酒はわかりません。
注1。ウィスキー。
小麦などの穀物を原料として、その中に含まれるデンプンを麦芽の酵素で分解して糖分にしたもの。を酵母の力で分解してアルコールにしたもの。を更に蒸留して、より純なアルコールに近づけたもの。ほぼ全てが樽での熟成を経る。
注2。シングルモルト。
大麦(モルト)のみを材料とするウィスキーをこう呼ぶ。スコッチの場合はさらに、「単一の蒸留所のみ」という条件が増えます。モルト以外には、グレーン(その他たくさんの穀物)だったり、ライ麦だったりコーンだったりがありますね。
注3。スコッチのアイラ
スコットランドで作られて、現地の法で認められたものをスコッチウィスキーと呼びます。
有名度だけなら他のどのウィスキーよりも高いんじゃないでしょうか。
世界5大ウィスキーという時は、スコッチに加えて、アイルランド、アメリカ(バーボン)、カナディアン、ジャパニーズ、が加わります。
日本でこそ五大ウィスキーなんて言いますけど、海外ではほんとに日本加えて「五大!!!」なんて言ってるんだかどうなんだか。
最近は、インドや台湾、タスマニアやニュージーランドなんてところでもウィスキーを作ってるところがありますね。ここら辺はいつか書きます。
スコットランドの中にもいくつか地方があって、その中に「アイラ島」という小島があります。
そこで作られているのが、アイラウィスキーです。
主に、麦に泥炭(の煙)を炊き込んでから作るため、燻製っぽいかほりがするのと、海辺で潮風を浴びつつ熟成させるせいで、潮やヨードチンキのかほりがするのが特徴です。正露丸とよく言われる。
他の地域にはない特色のせいでウィスキーも観光にも大人気の島になってしまいました
(注4)アードベック
「スコッチのアイラ」島に9つ(ほんとか?増えたり減ったりしてないか?)ある蒸留所のうちの一つの名前。
伝統的に、蒸留所名をそのまま銘柄の名前にするところが多いですね。
アードベックは、アイラの中では辛口(=甘くない、の意)、ドライ、高フェノール値が特徴です。
先程の「燻製」「潮」「ヨード」らへんのかほりの、含有量がめっちゃ高いやつです。
間違っても始めてウィスキー飲む人には飲ませられない。フリじゃないよ。
毎年6月はじめらへんに「アードベック・デー」を設定して、毎年一種類新しいアードベックのレパートリーを発売していくストロングスタイルな蒸留所です。
今年は「アードベック ドラム」でしたっけ。その名の通り(?)ラム酒の樽で寝かせた(注7)アードベックです。
注7 カスクフィニッシュ
ウィスキーは樽で熟成されて、樽の香りや成分が溶け出してあの味になる。
じゃあ、別のお酒入れてた樽を転用して寝かせたらもっと美味しくなるんじゃない!?的な。スコッチの技術。
シェリー酒(ワインの発酵中の糖分→アルコール過程で、アルコールを添加して甘みを残したまま発酵を完了させた酒精強化ワイン)だったり、ワインだったり、バーボンウィスキーだったり、最近だと、ラムやテキーラ、日本酒カスクなんてのも見ましたね。
たまに新興技術とか言われるんですけど、それには一応反論しておきます。
スコッチなんか、もともと密造酒だったのを、酒税の安いシェリー酒の樽に入れてたらなんか美味しくなったみたいな言われがあるくらいですので。
書いといて神話くささが半端じゃない。
注6 アードベック ダークコーブ
先述の一年に一本でる新作で、2016年に発表されたやつです。
出回るっちゃ出回るんですけど、そこまで量はないので、今だと末端価格2万円くらい。
ブログ用に検索かけたらプロモムービーとか出てました。
「ダークシェリー樽」なる謎の樽で寝かせたそうです。ところでダークシェリーってなんなんですか。
本題までに2000字を費やす。見出しも何もつけてないから読みにくい事このうえない。
アードベック ダークコーブ。
もうフタ開けた時点でかおりが舞ってくるんですけど、まぁそれはそれとしてグラスに注ぎます。
グラスに顔近づけた時点で味がします。比喩でなく。
パンジェント(チクチクして刺激的、をさすティスティング用語)なスモークっぽさだったり、モルト本来の甘みだったり、ちょっと湿気のある樹木の香りがしたり。
ボトルの値段が15000円超えたあたりから、グラスの中に世界が見えるようになってきますね。
ダークコーブからは、静かな森の中、さっきまでちょっと雨が降ってて、止んだから、暖をとるべく手近な木で焚き火をしてるような光景が立ち上ってきます。
生木を燃やしちゃった時のあの乳白色の煙は、ほかにちょっと例えようがないような、密度の高い独特の刺激と香りなんですけど、そのものずばりの質感がグラスから出てきます。香りだけね。
グラスに顔近づけただけでここまでかけるウィスキーってなんだよ。まだ一滴も飲んでねぇよ。
もうかほりが爆発してそこらへんが森林になってるので飲みづらいんですけど、それでも口に含みました。
もともと度数高い分、ちょっと舌がピリピリするような刺激はまあそれとして。
シェリー樽由来っぽい甘みがそれと同時に、アタックしてきます。飲んですぐの最初の刺激のことをアタックと呼ぶ。
そのまま舌で転がすと、樽の木材であったり、チクチクする白煙であったり、モルトの甘みであったり、トロピカルフルーツみたいな甘みであったり、が何度も反復してまたその度に新しく訪れてきます。重層的って言うんでしょうか。
舌の上に渋みが残るのもチェックポイントっぽいですよね。大体、こういう感触のするウィスキーはちょっと日を置いて空気と水を含ませると一気に花開くやつ。
飲み込んでのち、口内に残るかほりをフィニッシュと呼びます。
ダークコーブのフィニッシュは、微量の渋み、ほんの少しのスモーク感と、甘いトロピカルフルーツでした。そしてめっちゃ長く残る。流石お値段相応のウィスキー。
わざわざ使いにくいiPadから1時間かけて記事を書くぐらいには素晴らしいウィスキーでした。
早く家の電波開通して。
本を貼ることに決めているので、最近読んだこれを。
あと一冊。
この2冊を読めば、任意のウィスキーを飲んだときにスノッブどもに認められるような感想を饒舌に語れるようになります。
自らの内の未知と感覚を通して語り合う所業、実質マインドフルネスみたいなところあるので。
なので飲酒、意識高い人にもおススメです。「知で旨くなる酒」とはよく言ったものですね。
「だから男に好まれる」は実質マンスプレイニング。